竹久夢二は憂いを含んだ独特の世界観の『夢二式美人画』で広く知られ、今なお人々を魅了し続ける作家です。
絵画の世界にとどまらず、書籍装丁やポスター・千代紙や手ぬぐい等の日用雑貨などのグラフィックデザイナーとしての優れた仕事を数多く残している竹久夢二。
そんな夢二のグラフィックを現代の暮らしに息づかせる活動、アートディレクター・セキユリヲ氏による『Re;foRm』。
「夢二が今の時代に生きていたなら、どんな壁紙をデザインしただろう?」
東京・根津の竹久夢二美術館監修の下、セキユリヲ氏とリリカラが創り出す、竹久夢二の壁紙コレクションです。
「雪」をテーマにした図案は『若草』1928(昭和3)年2月号の表紙を飾りました。
黒く塗りつぶされたダイヤ型の面と、金・白・水色で構成されたダイヤ型の面が、規則的に組み合わさっています。
白から水色の部分は扇形にデザインされ、画面は動きを伴いながらも静謐なイメージを醸し出しています。
「野山」をテーマにした図案は『若草』5月号の表紙を飾りました。
山なりの曲線が連続し、それが層を成している図案は新緑の野山をイメージしているようで、5月号の表表紙に似つかわしい鮮明なデザインです。
山を愛した夢二は、スケッチや日本語の他にも、時には斬新な表現で山々を描きました。
「三角のリズム」の図案は『民謡音楽』4月号の表紙を飾りました。
濃色で表現された三角形は、強弱のレベルを示唆するようなタッチで、さらに三角形の鋭角部分からは曲線が波状に描写されています。
雑誌『民謡音楽」の表紙絵は、夢二によって音楽をビジュアル化してような、リズミカルなデザインが彩られました。
「うつろう円」の図案は『若草』1930(昭和5)年8月号の表紙を飾りました。
この表紙絵は直線と曲線、さらに円形や方形を組み合わせた幾何学模様で構成されています。
淡色のグラデーションによる色使いと充分な余白が、画面に軽やかな印象を与えています。
「つみ木」の図案は『若草』1928(昭和3)年4月号の表紙を飾りました。
三角形・方形・菱形・多角形・円形などを素材として、直線や曲線によって構成された幾何学模様を、夢二は雑誌『若草』で好んでデザインに取り入れています。
この表紙絵は、つみ木のように複雑に入り組んだ図案が特徴的です。
『若草2月号』表紙絵と『人形とツマミ細工』裏表紙
『若草』1927(昭和2)年2月号の表紙を飾った植物は、花や葉の特徴から「ヤブラン」であると思われます。
「ヤブラン」の細長い葉は、しなやかで堅く、先の方が垂れ、8月から10月には青紫から白色の花を咲かせます。
夢二はヤブランの形状を好み、繰り返し絵筆をとりました。
『新少女』1915(大正4)年5月号にて扉ページのカットを飾った植物は「たちばな」。
扉ページに掲載された福岡県の民謡「黒田節」の三節 “花たびばなも匂うなり……” の歌詞に合わせて描かれました。
たちばな(橘)は、5~6月頃に白い花が咲き、その後はミカンに似た直径3cmほどの黄色い果実を付けます。
『若草』本文挿絵
夢二は雑誌の紙面を多彩なカットで彩りました。
「花かざり」は3種(花模様1+鎖状の装飾2)が組み合わせられています。
余白を埋める意味以上に、夢二による個性的なカットの数々は、親しみやすく遊び心も感じられ、読者の眼を楽しませてくれました。
竹久夢二の壁紙が掲載されているリリカラのカタログ『will』
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